音楽をかけたほうが集中できることを再確認

2023年6月3日a-ライフハック,子育て,学校の勉強,心理学,文学

スティーヴン・キング先生ありがとう

私が子供の頃から、子供若者が音楽を聴きながら勉強をしていると、大人によく怒られていたようだ。そういう体験とグチを何人かの友人から聞いた。私も父親に怒られたことがある。

勉強している本人としては、音楽があったほうが何をするにも捗る実感がある。一方で、とっくの昔に勉強をしなくなって久しい「大人」は口をそろえて、音楽など聴きながら勉強するのは不真面目だと、けしからん口調を繰り返してきた。

さて、私個人は最近、音楽をかけていないと読書できないことが多い。


文章を書いている時は、半ばトランス状態だったりして周囲が気にならないことが多いので、音楽を仮にかけていたとしても音楽自体が聴こえない。だからどっちでもいい。


問題は、読書の時だ。
一心不乱に読み耽るような面白すぎる小説を静かな夜に読む時はいいのだが、一般書や学術書を読むとなると、1ページも進まないうちに「思考の脱線」が起こるのだ。

内容が興味深ければ興味深いほど、そこから発想が次々と吹き出して広がりまくる。ハッと気づいて本に戻ってもまた次の段落で空想の宇宙に旅立ってしまう。
空想世界のほうで考えが発展し、急いでパソコンを開いてエディタに書き留めることもしばしば。
1ページ読む間に短編のあらすじを2篇分書いてしまったこともある。

それはそれで悪いことではないのだが、図書館に返す期限が迫っていて今日中に読んでしまいたい本の時に非常に困る。
なので、ともかくひと通り読んでしまいたい本の場合、音楽をかけながら読む。そうすると、頭のギアが落ちる感じで、本の内容だけを追うことができる。

雑念を排除することは、集中を助けることに確かになる。
静寂に恵まれたこの田舎暮らしでも、自分の脳みその中から湧き上がる雑音は、音楽で中和する必要が時々ある。
雑念と中和しているので、音楽の中身も頭には入ってこない。つまり音楽のせいで気が散ることは全くない。

こういう体験をしているのはもしかしたら私だけかもしれないという懸念もあった。私は子供の頃から何百回も「変わってるね」と言われてきたので、集中のために音楽を聴くということを人にすすめてもいいものかわからず、誰にも言わないできた。

ところがだ。
なんと、あのスティーヴン・キング氏が、小説を書く時にハードロックをガンガンにかけているということを知った。

私以外にも少なくとも一人いた!
しかも世界的に指折りの成果を上げている人物であるから、彼にとって間違ったやり方であるはずもない。

別に自分にとって間違ったやり方ではないかという心配はしていなかったが、ちょっと(いやだいぶ)安心してブログに書ける。

ただ、この話には恐ろしいもうひとつの裏がある。

私には、音楽をかける代わりに、別の集中方法があった。
目的は同じ、頭の回転ギアを適度に落として、空想世界にぶっ飛ぶのを抑え、目の前のことに集中すること。
それは、酒を一杯やることだった。
アルコールを入れると、ぶっちゃけ、精神安定剤と同じ作用が得られたということだ。
言うまでもなく、危険な香りがするだろう。
私がもし、決まった時間にけっこうな量の「仕事」や勉強をしなければならないとして、音楽がなかったら、酒に頼り続ける危険があったということだ。

そしてスティーヴン・キング氏は、かつてアル中治療の経験を有している。(もっと大変な経験をされているがそれはここでは言うまい)

ともかくだ。
「音楽を聴きながら勉強するのは不真面目」
と決めつけて学生や我が子を叱るのは、ちょっと待ってほしい、という話。

誰にでも当てはまる話でない可能性はもちろんあるが、少なくとも、私とキング氏とがそうなのだから、ほかにも同じタイプの人がいると考えるべきだろう。
世界に2人しか当てはまらないと主張する人は、おそらくいないと思う。

余談:話し声などの雑音が音楽で消えるのは実証済み

喫茶店などで音楽がかかっていることで、他の客の話し声が気にならなくなる効果がある。

これは経験的に知っていた人もいるだろう。私は前世紀に何かの本で、実験でも効果が確かめられたと読んだがどの本か思い出せない。調べて追記します。