【クイズ:誰を信じる?】例えば保険屋と年金屋

2022年6月7日a-ライフハック,インターネットライフ,クイズ,サバイバルスキル,心理学,経済知っ得

例えば、ある情報に限定する時、保険会社(保険部門)と年金会社(年金部門)どちらの情報を信じるべきか?

人間の世界は経済的な利害で回っている。それは紛れもない事実。
個々人の判断は、経済から離れた心理で動くことも多々ある。が、少なくとも企業・事業者が発信している情報には、必ずといっていいだけの利害がバイアス(偏り)として働いている。
「そんな、社会を良くしようという気持ちだけでウチは情報を発信していますよ!」
という会社があって本当にその通りだったら、逆に経営が心配だ。

ということで、情報は選ばなければならない。利益ありきの企業活動において、「嘘は正義だ」と思っている人々さえごまんといるのだから。

情報の信憑性を測る方法はたくさんある。
が、例えば自分で真偽を確かめる手間をどうしてもかけられない(時間がないとか)場合、
「どの情報を信じるのが良いか」
を瞬時に判断しなければならない可能性もある。

そんな時のための極端な思考実験クイズをしてみよう。

Q:科学的な裏付けもなんだかありそうななさそうな健康法が話題になっている。ある2種類の企業のサイトで、互いに正反対とも取れる見解が掲載されている。

A社:その健康法は科学的根拠はまったくなく、どちらかといえば健康を害する懸念のほうが大きいので、現時点ではおすすめしない。
B社:まだ証明はされていないが多くの学者が研究に取り組んでおり、公式に直接的な被害などの警告も出ていない。昔から世界各地で実践されてきた歴史もある健康法なので、医師の注意などが特になければ実践して問題ないと思われる。

A社は生保や医療保険を扱う保険会社
B社は年金商品を主に扱う会社

さて、A社もB社も業務そのものでは同程度に信頼されている会社だとして、もしも他に判断材料を探せない場合、どちらの会社のコメントを信じておくべきか。

答えは、もちろん現実には絶対ではないと前置きしておくが、信憑性のより高いのは、以下をお読みいただければ明らかになってくるかと思う。

その健康法が良いのか悪いのかは、どちらの会社も明確な情報を持っていないようなので、
慎重を期してやめておくか、
効きそうなら積極的にやってみるか、
の判断になってくるだろう。

ここで得られる利益は、
その健康法が良いものなら実践することでより健康になり、
悪いものならやめておくことで健康を害さずにすむことになる、
となる。

ここであり得るリスクは、
やめておいたせいでより健康になるチャンスを失うか、
実践したせいで健康を害するか、
である。

さて、一般読者の利害について書かれているが、企業としては、一般読者の行動の傾向はそのまま自社の顧客の利害につながる。

そこで保険商品と年金商品はそれぞれどうやって利益を得ているのか、ということと、各社の主張の方向性には関連がありそうだと考える。
(関連がまったくなかったら、その会社の経営も主張も信用度が落ちる。ここでは両社同等という前提)

これで答えは一応決まってくる(もちろん現実はいろいろ捻れていることもある)。

保険商品の顧客が長生きすれば保険会社は儲かり、
年金商品の顧客が長生きすると年金会社は損する。

こと局所的な健康問題に関してだけなら、どちらの会社が積極的に健康をサポートしようとする(べき)か、どちらの会社が「会社への非難さえ回避できれば無難なことだけ言ってればいい」と思いがちか、というあくまで単純化した例。

だからもちろん、道徳と無関係な、企業としての利益向上責任の話であって、どちらの会社や商品が健康に配慮して道徳的だとか、不道徳にも早死にを望んでいるとかそんなことまでは私は言ってないし実際関係ない(はず)。