原油、一旦下がる時。とその後
原油が高騰して電気代が上がると言われている。
原油高騰の理由は、新型コロナ=COVID-19の流行が後退したことで外出や産業の需要が増えたせいだと言う記事が見られる。でも、COVID-19(新型コロナ)流行中、外出が減った分、通販は増えた。飛行機は減ったが家にいる人が増えた分の家庭の電気需要は増えた。
大企業のオフィスのエネルギー消費が減っていたのだとしたらそれは経済全体にも良いことだが、リモート・オンライン化が成功した企業なら引き続きエネルギー浪費がコロナ前と同じに復活することはないはず(あったら意味ない)。
先進国の主に都市部に住んでいる(つまり大部分の)人間というのは、生きてる限りどこにいても有償のエネルギーを消費し続ける構造になっているので、
緊急事態宣言によるエネルギーへの影響というのは個々人レベルで考えれば
「減少」ではなく「移行」に過ぎなかったのではないかという仮説も成り立つ。企業レベルではまた実際に数字を出さないと何も言えないけれど、なんとなくよ、今年の原油高騰は最初から変な臭いがしていたところに、この秋の一段高を持って(実際は1バレル10ドル程度)電気代ガーと騒ぎ出したのが余計に胡散臭い。
そもそも原油高騰は緊急事態宣言中からだし。
2020年の経済全般急落の反動で原油が上がり出したのは2021年前半からのことで、緊急事態宣言真っ最中の真夏の時点でなんだか世界的にやたら強気でマスコミが原油先物の上昇を煽ってるな、なんでだと思っていた。前半に現物が上昇したのは減産のせいに違いない(と私は思ってた)が、夏以降OPEC+は減産縮小を公言した。=もっと多めに石油掘りますよーと。だのに。
先物の強気感への違和感でふと思い立ったのは、一般投資家が原油先物に手を出しやすくなった影響ってどうなのということだった。
ちなみに
バリュー投資やインデックス投信のように賢明にして堅実な真の意味での「投資」には私は大賛成で、全国民が広い意味での「投資」に目覚めるべきと思っているけれど、「投機」ははっきり言ってギャンブルであって「投資」ではない(と、ベンジャミン・グレアム先生仰ってる)。投資ならぬ投機は数百人に1人しか長期的に勝ち続けることはなく、あとは全員、続ければ続けるほどカモで終わる。
今年の原油先物の変な上昇エネルギーには、特にこれまで以上の「投機」臭がする。こういうのも結局バブルっていうのだとしたらいつか爆けるんだろう。
先物が現物に捕まる時にもしかして一旦下がるとして、問題はそのあとで、いや投機熱がそう簡単に冷えることはないだろうし煽りニュースもしつこかろうとしても、ファンダメンタルな流れとして供給は(こっそり)増えると私は見ているので、特に日本の原油調達コストをちゃんと見張って、
高騰ニュースにかこつけた便乗値上げと、例えば今後下がった時にも値下げしない(できない)会社をチェック
するのが、消費者や投資家の自己防衛と、企業真価の目安になるんじゃないかと思った。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません