タイムマシンにお願いしない
あの日あの時間に戻れたらと願う人は多くてもその先を真剣に考える人は少ない
- あの日に戻れたとしても、地獄を天国に、いやありふれた平和な日々にさえ、変えられるとはとても思えない。
- もちろん、あれから今までの何百何千と思い返した思考と記憶を全て保持して戻ったとしてもだ。
- せいぜい、数多の後悔のほんのいくつかを解消するくらいは出来たとして、なまじ未来を知っているだけに、変えられぬ現実に空回りし自責し疲弊して終わるのが目に見えている。解消した後悔より新たに増える後悔のほうが多いに決まっている。頭の中で、夢の中で、もう沢山だと心が折れるだけ過去に戻った身だからわかる。
- 何度も何度も考えた。私の何が足りなかったのか。なぜあのような悲劇が次から次へと湧いてきたのか。考えたからこそわかる。ちょっとやそっと未来の知見があるくらいでは到底変えられぬ、膨大な重き過去が私たちをがんじがらめにしていた。私たちはずっと、自由のきかない時間を背負ってもがいていたに過ぎない。
- 安易に過去に戻ってやり直したがる物語が巷に溢れているが、例えば両手両足を縛られたまま海に沈む途中の過去に戻って、あなたたちは何ができるというのか。人生というのは概ね皆そういうもので、私たちは息絶えるまでのわずかな時間の中で懸命に幸福を見出すため生まれ落ちたのだ、過去に戻っている時間など微塵もないのだ。






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