雪解けの散策〜インスタ俳句

2022年4月3日i-知の富,インスタグラム,言語,詩・短歌・俳句,雪国

実はフランス語の例外的ルールをすっかり失念していたのを、フランス人の方が指摘してくれてわかったという😰

とても嬉しかったコメントだから整合性を失わないために、恥ずかしいけど本文の間違いもそのまま残すことにした。

んーマジメに「そんなん知らんかった!」と最初思ったのだけどよーく考えると大学で教わったよーな気もしてきた。もし授業でやってたら先生ごめんなさい。四半世紀前のことで(やったかどうか)思い出せません。

「私の〜」を表す

「ma」・「mon」

はそれぞれ、後に来る名詞が

女性名詞・男性名詞

によって変化するのだけど。

後に来るのが女性名詞の場合でも、「ma」と言わず「mon」と言うべき場合がある、それが特例ルール。

それは、後に来る女性名詞が母音で始まっている場合。

フランス人は母音を、区切りながら続けて二回言うのを非常に嫌がる。

日本の中学や高校を訪れたフランス人は、演劇部が「あ・え・い・う・え・お・あ・お」と練習を始めるや否や耳を塞いでしゃがみこむらしい(大嘘)。

なので、

「ma」+「haleine」

と言わず(フランス語は「h」は読まないのでこれは母音で始まることになる)、

「mon」+「haleine」

と言うことになる。

ちなみに定冠詞も「la」と言ったら同じ「イヤな感じ」になるのかな、と思ったらやっぱりそうらしく、仏仏辞書の例文では「l’haleine」となってた。

フランス語勉強中の日本人のみなさん。お互い大変ですが頑張りましょう。

でもね、「フランス語えーわー」と思えてくるくらい声に出して詩とか読んでると、上の特殊ルールが自然に思えるのですわ。

私も、インスタのコメントで指摘されて「え、マジ?」と思いながら調べてる最中、「あ、そうか、そうだよね、言いにくいわ」と思ったのですよ。実際に発音してみると(フランス人の気持ちでね)。

英語も確かに母音で始まる名詞の前の冠詞は発音が変わるよね。英語ネイティブの人は当然・自然すぎて、いちいち学校では習わないらしいけど。

日本人は平気で「楕円」とか「次亜塩素酸」とか言うから最初は理解できないけど、注意深く発音に集中してみると、

「円」と言う時の最初の「え」と、

「楕円」と言う時の「え」って発音違うよね。なんつーか息のため方というか喉から出す息の勢いみたいなのが。

この違いが、特にフランス人には許せない。日本語には冠詞がないから、複合語でしかこの違いは現れない。だからフランス人や英語圏の「だってそうでないと違う言葉になっちゃうじゃん!」がわからない。フランス人も日本語の「楕円」みたく混ざり合って複合語になってれば、もう別の言葉だから気にしないのじゃないかな(今、例が思いつかんけど)。

日本人の私らも、「円」の時の最初の「え」の勢いをキープしたまま、「楕円」って言ってみて。

「だ・えん」

てなるよね。普段通りに「だえん」と繋げると明らかに「え」は弱っちくなるのわかるでしょ。

では「私の愛」だとどう?

同じ変化が生じているはずなのだが、「の愛」「な愛」の時の「あ」の変化もまた日本人は気にしない。がフランス人は気にする。

英語圏の人は、「a」+「apple」は気にするので「an」+「apple」になるが、「my」+「apple」は気にしないからそのままだ。

こうした違いを、日本人は気にしない文化に育っただけで、違いそのものに気づくことはできる。これはそもそも語頭の母音の厳密さに関わる話なのだな。単純に気にするかどうかじゃなくて。